こんにちは!楽じい(“@rakujii7“)です。
わたしは、生まれつき「赤緑色覚異常」といって、赤色系統と緑色系統の色の区別が苦手な人です。
今回は、「色覚異常」ついて問題点をまとめてみました。
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色の見え方には個人差がある。
私たちは、それぞれ性格や顔が違っているように、色の見え方も同じではなく個人差があるんです。
一般色覚(正常)の人でも、それぞれ違って見えているんですよ。
例えば、同じ色を再現するのって、難しいんじゃないでしょうか。
図工や美術の時間に「見た通りに色を塗りなさい」と先生に言われても、それぞれ濃淡があったり、微妙に違った色を塗ったりしませんか?
見ている色には個人差があるってことなんです。
その個人差が一般色覚(正常)の人と比べて、色覚検査で異なる結果(石原検査表が読めない)になった人を「色覚異常」だとか「色覚障害」って呼ばれています。
つまりこのような言葉は、色覚の個人差を表す医学的名称にすぎないんですね。
色はちゃんと見えている。
確かに、大多数の正常者と比べれば、見えずらい色はあります。
しかし「色覚異常」は色がわからないというのは、全くの誤解です。
かつて「色盲」とも言われていましたが、色が全く分からないと誤解されやすいため適切な言葉とは言えません。
色はちゃんと見えています。
ただ、正常者の見ている色と私たち色覚異常者の見ている色が違うだけ。
すごく不思議なことを言っていると思われるでしょうが、色覚異常の人は生まれつき色を感知する視細胞が欠けている 為に色を間違ったりするんです。
詳しくはこちら・・・
色覚異常の種類と間違いやすい色の組合せ。
色覚異常の種類は、大きく分けて4種類です。
色覚に異常がある状態というのは、光の3原色でも言っているように、赤・緑・青の光を感知する3っの視細胞の内どれかが欠けているか、また機能が低下した状態のことを言うのです。
医学用語ではもっと細かく分類していますが、ここは大きく分けて4種類のほうが混乱なく理解できると思います。
- 赤の光を感じる視物質の遺伝子に変異を生じた「第1色覚異常」
- 緑の光を感じる視物質の遺伝子に変異を生じた 「第2色覚異常」
- 青の光を感じる視物質の遺伝子に変異を生じた「第3色覚異常」
- 2つ以上の視物質に変異を生じた「全色盲」
色覚異常の多くは、わたしと同じ先天赤緑色覚異常のことを言うんですが、ごく稀に青黄色覚異常や全色盲 の人は存在します。
また「先天色覚異常」の他にも「後天色覚異常」があります。これは、網膜の病気や緑内障、白内障など、眼のさまざまな病気が原因で、色覚に変化が起きることもあります。
ほとんどの場合、「色覚異常」といえば赤色と緑色の見方が他の人とは違って見えている先天赤緑色覚異常のことを言うんだと覚えておいてくださいね。
当ブログは、第3色覚異常と全色盲には触れていません。
この先天赤緑色覚異常者は、日本人ではおよそ男性の20人に1人、女性の500人に1人、確率では小学校のクラスに1人はいる可能性があります。多いですよね!
間違いやすい色の組合せ
このように、先天赤緑色覚異常者は赤か緑の視細胞の機能が低下しているので、色の組み合わせによって同じ色に見えることがあります。
似かよって見える色の組み合わせは次のような場合です。
- 黄色と黄緑
- ピンクと水色
- 赤と黒
- 青と紫
- オレンジと緑
鮮やかでない色や暗い環境、見るものが小さい場合などでは、より似かよって見えます。
正常者には「なんでやねん!」と非常に不思議そうに言われますが、この色の組合せは特に間違いやすいです。
一見、関連性がないように思われる色の組合せですが、間違える理由はこちら・・・
先天赤緑色覚異常は「色がどのように見えているのか?」
はい。これは私たち「色覚異常者」が必ず受ける質問なんです。
確かに色覚に異常があるってことは「じゃぁ!どんなふうに見えるの?」って疑問を持たれるのは分かるんですが、わたしたちの色の世界は、生まれつき変わることがありません。
はじめて見て、教えられた赤色は赤色だし、緑色は緑色なんですね。正常の色は見たことないし、答えようがないんです。
そもそも色覚異常と正常者の見ている色の世界が違うのです。
お互いわからない者同士が疑問をぶつけ合っても答えなんて出ないんですよ!
なので「どんな色に見えるの?」なんて全くもって愚問ってことなんです。
日常生活で困ることはありません。
わたしたちは、日常生活で困ることはありません。ここ重要なんですよ!
細かいことを言うとキリがないので、あえてここは困ることはないと断言しておきます。
まちがっても色弱の子を持つ親御さんは、悲観的になってはいけません。
他の人と違った個性的な色の見方ができるお子さんなんですよ!
色覚検査は受けるべきです。
2003年以降、小学校などの教育機関では色覚検査は廃止になりました。
理由は主に、
- 「色覚障害の大半の児童は、学校生活において支障なく送れることが明らかになったこと」
- 「過去に 色覚異常に関する偏見が元で進学や職業選択に制限が加えられること」
- 「色弱は遺伝する」という理由から差別をされるなど
これってスッゴク問題なんですよ!
差別的な理由がほとんどなんですが、進学や職業選択に制限が加えられるのになぜ廃止するのか、意味がわかりません。
廃止になって今年で13年です。そろそろ子どもたちは、将来なりたい職業が明確になってくる時期です。
「日常生活に困ることがない」「学校生活も支障なく送れる」ならば親御さんも先生も色覚に異常があることに気付かない可能性が充分あります。
いざ就職活動だ!って時に「色覚異常」を知らされた時に落胆するのは、お子さん自身です。このショックは本人しかわかりません。
あとあと取返しがつかないように早期発見できるのは、小学校で行われてきた色覚検査なのです。
色覚検査が廃止になった今、眼科で必ず検査を受けましょう。
追記:2016年4月より小学校の色覚検査が再開しました。
2016年4月から小学校の健康診断で色覚検査が再開しました。
再開した理由は、色覚異常と気づかずに学業を終えた学生たちが企業から門前払いをうけるケースが続出したのです。
俗に言う「就職差別」
文部科学省はこの問題を受け、昨年から実施しました。
色覚異常は治療では治りません。
ひところ電気刺激などにより「色覚異常を治します」という新聞広告や書籍が出版されていましたが、結論から言うと「色覚異常」は治りません。進行もしないのです。
そもそも治すものではありません。
「治る」とはどういうことなのか?
石原式検査表が読めるようになるってことでしょうか?
一般色覚者と同様に色が見えるようになるってことでしょうか?
どちらも違います。
- 検査表が読めない=色覚異常
- 一般色覚者と違う見え方をする=色覚異常
この図式がそもそも間違っているのです。
人それぞれ持っている色覚は、遺伝によって受け継がれているものです。刺激や訓練で遺伝子が変化することはないし、あったら大変なことです。
色覚以外の感覚も人によって異なります。
視覚・臭覚・味覚・聴覚・温度感覚・平均感覚・・・どの感覚も個人差がありますよね。
これらの感覚を平均レベルから離れた人たちを医学的に異常者と呼ぶでしょうか?呼びませんよね。
甘い物好き・辛い物好き・視力が弱い・猫舌・・・この人たちは当然異常者じゃありません。
色覚だって同じです。大多数の一般色覚者から違う見え方をする人を異常者扱いをすること事態まちがっているのです。
なので色覚異常は、病気ではないし治す必要もないのです。
色覚検査にはどんなものがあるのか?
色覚検査には主に
- 石原式検査表
- パネルD-15テスト
- アノマロスコープ
代表的なのはこの3種類です。この3種類で検査をして総合的に色覚異常かどうかを判断されることが重要です。
ところが、日本では石原式検査表のみで「色覚異常」と判断されるのが大半なんですね。
正確には色覚異常の疑いがあるに留まるんですが、就職試験の適正検査でもこの石原式検査表のみで合否を確定されています。
- 検査表が読めない=色覚異常
この図式がここでもまかり通っています。
また、各種の検査器具を備えている病院を探し出して検査を受けたところで、医学的分野のどこに位置しているかということまでです。
「あなたは第一異常の色弱です。」「第二異常の色盲です。」といった診断が下されるだけなんですが・・・
大事なことは、親御さんが我が子の色覚の状態を知ることが重要なんです。医師が有効なアドバイスをすることは困難なようです。
色覚異常と判定されるとなれない職業は何?
1916年につくられた石原式検査表には、「色盲者に不適当な職業は、医師、薬剤師、陸軍現役将校その他すべて色を取り扱う職業」と記されていました。この表記は、1989年に改訂されるまでじつに70年以上も記載され続けていました。[改訂版 つくられた障害「色盲」高柳泰世(著)より引用]
1989年に改訂されたとはいえ、70年もの間「すべて色を取り扱う職業には不適当な人物」と記載されていたんですから、いまでもそのしこりは残っています。
逆に色を取り扱わない職業を探す方が難しいですよね。
でズバリなれない職業といえばこれ
- 鉄道会社(電車の運転手)
- 航空会社(パイロット、整備士)
- 消防士
- 警察官
- 自衛官
- 入国警備官
- メディア関係等々
かなり職業差別が緩和されたとはいえ、まだまだ多数の企業が制限を加えているようです。
わたしの場合は、鉄道会社(電車の運転手)でした。まぁ遠い過去の出来事ですが、色覚異常だったことで門前払いでしたね。
いくら努力してもムダだったんです。信号機の色が判断できたとしても異常者は雇えないってことなんでしょうね。
まさに差別です。
しかし、これは日本の話なんで、日本でなれない職業でも海外ではなれる職業は多数あります。
凝り固まった日本の一般常識を捨て、もっと広く海外に目を向ければ、色覚異常者でも選択肢がかなり広がってくるですよ。
このあたりも親御さんに理解しておいてほしいところです。
まずは、色覚検査を受けて早期発見してあげる。ここでも重要ですよね。
色のバリアフリーは知っていますか?
最後になりますが、みなさん色のバリアフリーってご存知でしょうか?
最近、新しく建てられる公共施設などのほとんどに、高齢者や車いす利用者のために設けられているスロープ。歩道には点字のブロックがあるのをよく見かけます。
バリアフリーとは、「障壁がない」って意味で、とくに建設設計で、段差や仕切りをなくして高齢者や車いす利用者を配慮することから使われるようになった言葉です。
この思想が広がっていって「色覚異常者」にも色彩設計をしていこうというのが「色のバリアフリー」です。
- 赤系統と緑系統の色の組み合わせをさけて、だれでも区分しやすい色の組み合わせをしていく。
- 表示を色分けで示すなら、斜線を引いたり、文字を縁取りしたりと色情報以外の手段を利用して、わかりやすくする。
- 色の組み合わせに加え、明るさに差をつける。
- 色分けされた文字や線を大きく、太くする。
日本ではまだまだ遅れているんですが、今後は生活のあらゆる場面で「色覚異常」と判定された人たちにも利用しやすい工夫がなされるべきです。
色覚だけでなく人はさまざまな個性をもっています。お互いが個性を尊重し、住みよい社会を目指したいですね。
参考サイト→(http://www.cudo.jp) NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構/色弱・色盲相談窓口/特定非営利活動法人 Color Universal Design Organization
わたしの経験上で、色覚異常者への誤解とその問題点をまとめてみました。