こんにちは!楽じい(“@rakujii7“)です。
昨年(2016)より、小学校の色覚検査が再開されました。
2003年に文部科学省が小学校の健康診断から色覚検査を廃止したんですが、なぜ今になって再開したんでしょうか?
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13年前の廃止の理由。
まず廃止の理由というのは、
色覚異常と診断された子ども達が学校生活において「差別やいじめを受ける恐れがある」というのが大きな理由でした。
色覚異常は遺伝によるもので、治療法もなく、眼鏡などで矯正もできないため、色覚異常者に配慮して色覚検査の廃止をしました。
当ブログでも色覚異常について色々と書いていますが、これって色覚異常の子ども達の将来のことまでは配慮されていないんです。
言ってみればその場しのぎ、もっと言えば色覚に異常がある子どもへの教育の放棄です。
確率的に学年で1,2人は必ずいる子どもの将来を無視した教育関係者の判断が13年前の色覚検査の廃止でした。
色覚の関心が薄れていく
色覚検査が廃止されてから教員の色覚異常者への関心も薄れました。
色覚異常に無理解な教員が、色使いや色を間違った児童に「ふざけている」など不当な例も報告されています。
全く残酷な話です。
また本人は色覚に異常があるとは気づきません。
色覚異常者の見ている色の世界は生まれつきなので、誰かに指摘されなければ気づくことはないのです。
なので周りの大人たちが関心を持ってあげないと、色覚異常に気づかないまま学校生活を終えることになります。
13年目の悲劇
2003年以降、色覚検査を受けていない児童が学業を終えた2016年。
色覚検査は小学4年生からだったので、ちょうど去年が大学を卒業する年でした。一般的に言ってですが・・・
その大学を卒業する学生たちに悲劇が起こったのです。
人生の大きな岐路である就職活動で、色覚異常と診断された学生たちは企業から門前払いをうけるケースが続出したのです。
いわゆる色覚異常者への就職差別です。
大きな夢を持って社会に繰り出そうって時に、色の見え方が普通じゃない!異常者!とレッテルを貼られてしまうのです。
もし13年前に色覚検査を受けていたら進路変更をしていたのに・・・と悔やんでも悔やみきれません。
昔と違って就職差別が減ったとはいえ、まだまだ色覚異常者への就職差別は多数あります。
わたしが解っているだけでも
- 鉄道会社(電車の運転手)
- 航空会社(パイロット、整備士)
- 消防士
- 警察官
- 自衛官
- 入国警備官
- メディア関係等々・・・多数あります。
これらの職種を目指しているならば、色覚異常者には不利です。制限を加えられているのです。
制限を加えられているというのはなれないってことです。
非常に残酷なことですが、人と色の見え方が違うというだけで門前払いされます。
悲劇を繰り返さないために・・・
昨年から色覚検査が再開された理由には、このような残酷な事例が多数報告されたからです。
なので、学校保健安全法施行規則が一部改正されました。
官僚特有のまわりくどい、イラッとくる文章ですが、そのまま引用します。
色覚の検査について
学校における色覚の検査については,平成15年度より児童生徒等の健康診断の必須項目から削除し,希望者に対して個別に実施するものとしたところであるが,児童生徒等が自身の色覚の特性を知らないまま卒業を迎え,就職に当たって初めて色覚による就業規制に直面するという実態の報告や,保護者等に対して色覚異常及び色覚の検査に関する基本的事項についての周知が十分に行われていないのではないかという指摘もある。(中略)
適切な指導を行うよう取り計らうこと等を推進すること。特に,児童生徒等が自身の色覚の特性を知らないまま不利益を受けることのないよう,保健調査に色覚に関する項目を新たに追加するなど,より積極的に保護者等への周知を図る必要があること。引用元: 学校保健安全法施行規則の一部改正等について(通知)・・・文部科学省
要するに13年前の判断は間違いだった。
色覚異常は、検査を受けない限り気づくもんじゃない。
将来、就職差別を受けないよう教員は親御さんと連携して、安全な方向に導いてあげる努力をするべきってことです。
色覚異常は遺伝。日本全国には300万人。人類が子孫繫栄を願う限りこの数字は永遠に続くのです。もう間違いはしないように・・・