こんにちは!楽じい(“@rakujii7“)です。
今日は、色弱の子どもを持つ親御さん、保育園、学校関係者に読んで欲しい1冊を紹介します。
「うちの子、もしかして色弱かも・・・?」と思うと親御さんは不安になるものですが、子どもの発言や行動は常に奇想天外です。
色弱かどうかに関わらず、親として教育者として子どもにどう対応してあげればいいのか?
色弱者を支援するNPO法人、カラーユニバーサルデザイン機構に寄せられた質問を37項目に集約し、Q&A形式でアドバイスしています。
色弱のわたしが読んでも目から鱗の回答で、親御さんの不安を一掃できる良書です。
少しの工夫が親子や児童・生徒との円滑なコミュニケーションに繋がる。
たとえば、質問内容にはこんなものがあります。
- お花見に連れて行こうかと思っているんですが、子どもは楽しめるでしょうか?
- 花火大会に連れて行っても花火の色は分かるのでしょうか?
- プラネタリウムに行ったのですが、子どもは「全くわからなかった」と言います。星の色も分からないのでしょうか?
といった質問が登場する。
色の区別がしにくい子どもに対する不安の現れた質問ですね。
星の色が分からないんじゃなくて、色名で説明されるから分からないのです。
「赤い星はぺテルギウス」っていわれても分かりずらいのは当然です。
そもそも色弱者は、正常の人の見ている色と違うのですから・・・
色弱者には色名がないと言っても過言じゃない。
こんなこと書いていない!「色名がない」というのはわたしの意見です。
お花見だって花火大会だって、楽しむのは色だけではないですよね!
家族と一緒に行って、遊んで、お弁当を食べて、会話して・・・楽しむことは、いっぱいあります。
普段あたりまえのことが分からなくなる親御さんの不安の現れです。
学校生活の不安は先生との話合いで乗り切れる。
- 理科の実験で「変化した色がわからない」と言ってますが、どうしたらいいですか?
- 地図帳の隣り合わせた県の色の見分けができない。
こういった悩みもズバット鋭く回答しています。
理科の実験は、色の変化を観察すること。クイズでもなければ、色の変化を楽しむものでもないんです。
はじめに、変化する色名を知識として頭に入れとけばいいだけのことで、色が変わればそれでいいのです。
この回答は目から鱗でした。これならテスト対策もバッチリできます。
「さて、何色に変わったでしょう?」なんて授業を進め方をしている先生には、改めてもらわないといけません。
リトマス紙は、アルカリ溶液につければ必ず赤から青に変わるんですから・・・
確立で言えば、クラスに1,2人いる色弱者に対して配慮がなさすぎです。必ず理解してもらわないといけませんね。
子どもの学校生活を有意義なものにしてあげるのは、親が先生との話合いをいかに密に取るかで決まるんです。
これは、色弱でない子どもを持つ親御さんにも共通して言えることだな!
ほかにも、
- 同じデザインで色違いのカバンを間違ってしまう子どもには・・・
- 色違いの靴下を履きがちな子どもには・・・
文字の刺しゅうやマスコットをつけることで区別できるようにとアドバイスしています。
これもまた、少しの工夫が親子や児童・生徒との円滑なコミュニケーションに繋がるという点では、色弱ではない子どもを持つ親にとっても参考になりそうですね。
4人の回答者の経歴がすごい!
経歴がすごいのは、今まで色弱だとなれない職業や取れない免許があると思っていたんですが、それを払拭した回答者の顔ぶれがすごいのです。
色弱ではお医者さんにはなれない。飛行機や船の免許は取れないと思っていたんです。
カラーコーディネーターといえば色彩、配色についてアドバイスする専門家です。
色弱の子どもを持つ親御さんの悩みの1つに「将来、職業差別を受ける」という大きな不安があります。
そんな差別を乗り越えてきた方々のアドバイスは大変貴重なものです。
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色弱強度の医師、岡部正隆さん
普段はお医者さんの卵たちを教える先生です。色弱の人達に不利にならない社会の実現を目指して活躍中。 -
色弱強度なのに1級カラーコーディネーターの資格を持つ、伊賀公一さん
自称「色覚チャレンジャー”@iga6“」社会を幸せに導く技術開発のために精進中。 -
カラーユニバーサルデザイン機構の職員、田中陽介さん
色弱ながら飛行機や船の免許をもっていますが、実はトライアスロンやトレイルランが趣味。 -
CUDO事務局スタッフ。体操の先生、井上和美さん
色弱者と接してきた経験を生かし、色弱の子どもを持つ母親や学校教論の色覚に関する相談のサポートをしている。
大勢の色弱者と接してきた経験は、実に素晴らしいアドバイスをしてくます。
色弱者は色空間における社会的弱者。
色弱というのは病気ではなく、色の見え方以外の視力や視野といった視覚特性は、ほかの人と全く変わりません。
では色弱者は何が弱いのかと言うと、正しく色を見分けられる大勢の人の中で、色の見え方が違う少数派に過ぎないのです。
つまり、大勢の人に都合よくデザインされた色空間の中で、少数派の意見はまだまだ弱い社会なのです。
色弱の子ども達が健やかに成長していくには、親御さんをはじめ教育関係者のちょっとした工夫が重要なのです。
この「色弱の子どもがわかる本」は、子どもと色に関することで上手に意思疎通が図れない場合の助けとなる 1冊です。
コミック本なんで読みやすいです。色弱じゃない方にも是非、読んでほしいです。