Procreate5Xの新機能と変更点

先日、Procreateのアップデートが行われ【Procreate5X】が登場しました。今回は、追加された機能や変更点をまとめて紹介します。

画像調整ツールに5っの新フィルター

今回のアップデートで、大幅に強化されたのが画像調整ツールです。「グラデーションマップ」「ブルーム」「グリッチ」「ハーフトーン」「色収差」のフィルターが追加され、既存の「ノイズ」フィルターにも新しい効果が追加されています。

配色の変更

さらにApple Pencilなどでレイヤーの一部分を選択してフィルターをかけれるPencilモードが加わりました。

調整ツールの詳しい使い方は、以下の記事にまとめています。

テキストツールで手書き入力が可能に

Procreteのテキスト挿入時に手書き入力が可能

テキストツールでは、iPadのスクリブル(Scribble)機能を使って、Apple Pencilでの手書き入力ができるようになりました。

テキストツール以外でもレイヤーの名前変更など、今までキーボード入力していた箇所も手書き入力ができるため非常に使いやすくなっています。

フォント編集画面5X

また、フォント編集画面でもフォントサイズなどの数値入力や縦書き変換ボタンが追加されています。

移動・変形ツールの新機能

移動・変形ツールの新機能

移動・変形ツールに新しく追加された機能は、「スナップ」ボタン、バウンディングボックスの「調整ノード」、テンキーでの「数値入力」とスケールの「数値表示」です。

なお、既存の補間法3種類は、「バイリニア法」ボタンに収められています。

スナップ

「スナップ」ボタンの設定では、(マグネット)と(スナップ)のON/OFF(距離)と(速度)の調整スライダーがあります。

(マグネット)をON⇒キャンバス上で移動する時に青いガイドラインに沿って、垂直水平や15°間隔で斜めにスライドできます。※角度は画面上に表示。

スナップ角度を表示

(スナップ)をON⇒キャンバス上で移動する時に、緑のガイドラインでキャンバスの中心線を表示し、垂直水平移動を青いガイドラインで補助します。オブジェクト同士を揃えたい時やキャンバスの中心に正確に移動したい時に便利です。

(距離)のスライダーは、スナップする距離をピクセル単位で調整します。数値が小さいほど滑らかに移動します。

スナップ中央揃え

(速度)のスライダ―は、スナップするガイドラインの表示速度です。[なし]は、ガイドラインが表示されません。スライダーは最大で良いでしょう。

バウンディングボックスの「調整ノード」

オブジェクトを囲む長方形の点線(バウンディングボックス)の下に追加された緑のノードは、バウンディングボックスの調整ノードです。

調整ノードを使うとオブジェクトを任意の角度から変換できます。調整ノードを回転して境界ボックスを調整したら、上の回転ノードを操作。

調整ノードを回転

回転ノードをタップしてテンキーで数値を入力すると正確な角度に変換できます。

正確な角度に変換

斜めに書いた文字を水平にしたい時は、非常に便利です。

文字を水平に

数値入力と数値表示

テンキーでの数値入力は、回転ノード以外の拡大縮小ノードでも使用できます。青色のノードをタップしてテンキーを表示。移動させればオブジェクトを変換するピクセルの高さと幅を表示します。

選択部分を自動で塗りつぶす

選択ツールには「塗りのカラー」というボタンが追加されています。

塗りのカラー

ボタンをONにして選択範囲を決定すると、現在選択している色を自動で塗りつぶしてくれます。色の変更もそのままカラーパレットで編集。塗りつぶしを削除したい場合はOFFすればOKです。

このほか、既存の選択ツールの使い方はこちらをご覧ください

キャンバス全体を把握できる基準ウィンドウとFacePaint 

アクション⇒キャンバスに「基準」ボタンが追加されています。

キャンバスに基準ボタンが追加

ONにすると「基準」ウィンドウが開き、キャンバス全体を把握しながらの作業ができる「キャンバス」やiPad内の写真を読み込んで参考資料に使える「イメージ」が選択できます。

基準ウィンドウ1

ウィンドウの移動は、上部のバーをドラッグ角をドラッグすることで拡大縮小の操作ができ、ウィンドウ内のキャンバスも2本指のジェスチャで拡大縮小ができます。

また、ウィンドウ内をタップ長押しで色をスポイトすることもできます。

ウィンドウ内の色をスポイト

※ウィンドウ内のスポイト機能は、「ジェスチャーコントロール」で別の操作に設定していても”タッチ長押し”です。

「イメージ」は、”読み込む”から写真などのを参考に作業ができます。今までは、Split View(スプリットビュー)を立ち上げていましたが、その必要もなくなりました。

イメージを読み込む

また、FacePaint対応のiPadでは、カメラで撮った顔にイラストを合成できる「顔」モードが使えます。FacePaintは、目、鼻、口の位置を表す4つのガイドをキャンバスに表示。ペイントすると基準ウィンドウに表示されます。

FacePaint対応のiPadは以下の通り

  • iPad Pro 12.9 “2018年以降”
  • iPad Pro11インチ”2018年以降”
  • iPadOS14を実行しているiPadAir3とiPadAir4またはmini5
  • iPadOS14を実行しているiPad第8世代

写真から30色のカラーパレットを作成

カラーパレットの右上にある【+】ボタンに「カメラ」「ファイル」「写真」から新規のパレットが作成できるようになりました。

「カメラから新規」は、撮影した視覚情報から自動的に30色のカラーパレットを作成してくれます。また「ファイル」「写真」からも同様に画像内の主な色をキャプチャーしてパレットを作成してくれます。

※Split View(スプリットビュー)を立ち上げて、パレット内に直接ドラッグしても作成できます。

インスタントパレット

アナログの絵を描く場合にも混色の参考になります。

写真からパレットを作成
写真からパレットを作成

30種類もの色に迷ったなら一部分をフォーカスしてパレットを作成してもいいでしょう。使い方は色々とありそうです。

写真一部分の色パレット

QuickMenuに登録できるボタンが複数に

今までは、QuickMenuに登録できるボタンは6個まででしたが、今回新しくQuickMenuプロファイルが追加され、ツールにアクセスできるショートカットボタンが複数登録できるようになりました。

登録方法は、中央の【QuickMenu 1】をタップ⇒ウィンドウの右上+ボタンをタップして追加された【QuickMenu 2】のプロファイルから登録できるようになります。

QuicMenuを追加

【QuickMenu 1】は、今まで割り当てていたボタンのセットです。ダブルタップしてプロファイル名を変更しておくと良いでしょう。

QuicMenuの名前を変更

それぞれのショートカットボタンに必要とするアクションを割り当てるには、ボタンをタップ長押しです。表示された項目の中から選択します。

メニューを割り当てる

その他の追加、変更点

4種類のブレンドブラシが追加

ブレンドブラシ

ブラシライブラリーの【エアーブラシ】内に4種類のブレンドブラシが追加されています。これにともないブラシスタジオの【ウェットミックス】の中に「ブラー」というパラメータが追加され、ブレンドの量を調整できるようになりました。

「コピー&ペースト」のメニューが変更

コピー&ペーストの変更点

ウィンドウメニューの名称が変更されています。以前の「コピー&ペースト」が「複製」に変更。また、ウィンドウの移動も可能になっています。※バーをドラッグして移動

ウィンドウの呼び出し方法は、キャンバス上を3本指で下へドラッグですが、ジェスチャーコントロールで割り当てを変えることができます。

6っのオプションメニュー

  • カットレイヤー内の画像を削除して、iOSクリップボードに保存。そこから、別のProcreateキャンバス、または互換性のあるアプリに貼り付けることができます。
  • コピーレイヤー内の画像をコピー。画像を削除せず、カットと同じように機能します。
  • すべてをコピー:複数のレイヤーで構成されたキャンバス全体をコピーします。
  • 複製レイヤーを複製します。
  • カット&ペースト:レイヤー内の画像を削除して、新しいレイヤーに貼り付けられます。
  • ペーストカットまたはコピーした画像を貼り付けます。また、Procreate以外のアプリからの貼り付けも可能です。

クロップしてサイズ変更

キャンバスサイズの変更は設定から表示

キャンバスのクロップしてサイズ変更は、「設定」ボタンから表示されるようになりました。項目内には、「スナップ」「回転」「DPI」が追加され、スナップをONにするとキャンバスの2分割や4分割が容易にできます。

また、枠をドラッグする時に数値が表示。キャンバスサイズに応じて、利用可能なレイヤー数は画面上に表示されます。

タイムラプスに表示されないプライベートレイヤー

タイムラプスに表示されないプライベートレイヤー

アクション⇒追加で「写真を挿入」する時に、左へスワイプすると「プレイベート写真を挿入」という表示に変わります。これでレイヤーに追加するとプライベイトレイヤーとしてタイムラプスに表示されない画像になります。

まるで一から白いキャンバスに描いたような熟練度の高いペイント動画が作成できますね。

【Procreateの使い方】まとめページはこちら

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