大阪府高槻市の野見神社は、勝負の神様が祀られている神社。
毎年、武芸上達やスポーツの勝利祈願で訪れている人も多い、高槻のパワースポットです。
また境内には、高槻城主だった永井直清が祀られている「永井神社」
1月の十日戎には人であふれ返る「戎神社」のほか「護国神社」「四社明神」「小島神社」の5つの摂末社があります。
スポンサーリンク
春は花見スポットとしても人気の神社で、境内に咲き誇る桜はとても綺麗です。
基本情報
- 所在地:高槻市野見町6-6
- 電話:072-675-1316
- 交通:阪急高槻市駅から南へ徒歩約10分
- 駐車場:あり(10台)
野見神社 由緒
第59代、宇多天皇天(うだてんのう)の頃(887年9月17日 ~897年8月4日)、当地で疫病が流行りました。
この時「社殿を作り牛頭天王(ごずてんのう)をお祀りすれば悪疫が治まる」という神のお告げにより創建。
その後、疫病がおさまり、人々の信仰を集めたと伝えられています。
しかし、キリシタン大名の高山右近(たかやまうこん)が城主となった戦国の時代には、一時社領を没収されています。
また、江戸時代までは「牛頭天王社」と称していましたが、明治維新の神仏分離令により牛頭天王は 須佐之男命(すさのおのみこと) と名を変え、更に野見宿禰命(のみのすくね)を合祀して、「野見神社」と改称しています。
江戸時代は、城内随一の神社として「高槻城絵図」にも記されています。
野見神社は高槻の鎮守様としても、市民を始め全国から多く人が参拝に来られます。
御祭神
さて勝負の神様ですが、由緒にも記している通り
野見神社の御祭神は、須佐之男命(すさのおのみこと)、野見宿禰命(のみのすくね)の二柱の神様が祀られています。
須佐之男命は、日本神話に登場する八つ首の大蛇。八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を倒した神。
野見宿禰命は、相撲の祖と言われる当麻蹴速(たいまのけはや)を破った神。
野見神社は、この故事からスポーツや就職、仕事など運を勝ち取る為に「武運長久(戦いでの幸運がいつまでも続くこと)の神」として崇められてきました。
パワースポットと言われる理由はここ!勝負ごとに強い神様が二柱も祀られているためです
境内にある摂末社
野見神社の境内にある摂末社(せつまつしゃ)は、全部で5つ。
- 永井神社
- 高槻戎神社
- 護国神社
- 四社明神
- 小島神社
永井神社(ながい じんじゃ)
永井神社は、野見神社の本殿東側に社殿があり、高槻藩永井家初代・永井直清(ながいなおきよ)を祀る神社です。
寛政5年(1793)、永井家9代目の高槻城主、永井直進(ながいなおのぶ)が創建しました。
その後、嘉永元年(1848)には、11代永井直輝(ながいなおてる)が、初代直清の高槻城入城200年を記念して、社殿を修復し、併せて拝殿と唐門を造立しました。
こちらが、唐門。
唐門の保存修理
高槻市は文化財補助事業として、造立から約160年経った 唐門の保存修理 を行いました。
修理個所は、小屋根の骨組み組と瓦や板、透塀が修理され、基礎部分などの構造補強も施されました。
平成22年に修理された唐門は、江戸時代に創建された当時のままに、巧みな彫刻と精細な飾り金具で飾られた優美な姿が見事に復元されています。
高槻戎神社(たかつき えびす じんじゃ)
高槻戎神社は、昭和31年に西宮戎神社より分社。分神を高槻戎神社として鎮座しています。
祭神は蛭子大神(ひるこのおおかみ)。
毎年1月9~11日に行われる十日戎は、多くの参詣者で賑わいます。
こちらも新しくなっています。
横から一枚。桜の時期の新社殿です。
高槻えびす祭りの様子
護国神社(ごこく じんじゃ)
高槻護国神社は、西南戦争より日清、日露戦争、太平洋戦争に至るまでの高槻地区の戦没者を祀る神社。
例祭は、5月の第3日曜日。
由来については不明とのこと。、祭神数、創建・鎮座年代も含め詳細は不明です。
四社明神(よんしゃみょうじん)
四社明神の四社とは、祖霊神社、磐神社、稲荷神社、福神社のこと。
「牛頭天王社」の時代より末社としてそれぞれ御社がありましたが、大正時代に四社明神として一つの御社にしたようです。
祖霊神社(それい じんじゃ)
祖霊神社は、明治11年に創建。歴代宮司、神官、特に神社にご尽力いただいた人々をお祀りしています。
磐神社(いわ じんじゃ)
磐神社は、元文4年5月創建。
祭神は、八衢比古神(やちまたひこのかみ)、八衢姫神(やちまたひめのかみ)、久那斗神(くなどのかみ)をお祀りしており種々の邪霊・禍災の祓い清める。
稲荷神社(いなり じんじゃ)
稲荷神社は、寛政11年2月に城主永井直進により創建。
祭神は、五穀や食物をつかさどり、稲の成育を守護する神「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)」
近世になっては農業のみならず衣食住と諸産業の神として崇敬されている神様です。
福神社(ふく じんじゃ)
福神社は、寛政9年8月に城主永井直進により創建。
祭神は、風・火・鋼・土・水の神様。
それぞれ
- 神志那都比古神(しなつひこのかみ)
- 志那都姫神(しなつひめのかみ)
- 火産霊(ほむすび)
- 金山比古神(かなやまひこのかみ)
- 金山姫神(かなやまひめのかみ)
- 埴山比古神 (はにやまひこのかみ)
- 弥都波能売神(みづはのめのかみ)
小島神社(こじま じんじゃ)
小島神社の創建は不明。
祭神は四柱。
- 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
- 大己貴命(おほなむちのみこと)
- 磐長姫命(いわながひめのみこと)
- 天児屋根命(あめのこやねのみこと)
大昔に干ばつがあり、民衆が困っているところに神様のお言葉がありその地に湧き出ている清水を使ったところ田畑は実り、民衆は大喜びしたとされている。
その後その場所に社殿を建てたという言い伝えがあります。
またその他の伝説では粂治山付近瀧ヶ淵に大蛇が住みついており龍神として祀った起源であるともされております。
HP野見神社・摂末社より
例祭は10月の第2日曜日。
式典終了後は、釜で煮えたぎらせた湯を用いて神事を執り行う「湯神楽(ゆかぐら)」が奉納されます。